鍼灸治療であなたも健康に メリットや特徴をご紹介
鍼灸治療といえば、鍼を刺すことで痛みが伴う、お灸の高熱に耐えなくてはいけない等といったイメージをお持ちの方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は鍼灸治療とはどのようなものなのか、実際のところは安全性や衛生面に不安はないのか、健康につながるのか、など普段あまり知ることのできない鍼灸治療のご説明いたします。
1. 鍼灸とは
鍼灸治療とは、身体の様々な症状に対して、鍼とお灸を用いて刺激を与えることによって症状の改善を促す療法のことです。中国をルーツとする東洋医学の一種で、現在では世界中で活用されています。日本で鍼灸治療を行うためには、はり師やきゅう師などの国家資格が必要となります。
治療に使用する鍼ですが、ステンレス製の非常に細いもので、長さは約40〜80mm。太さは直径で0.17〜0.33mmのものが一般的なサイズです。この鍼をツボに対して刺していくのですが、管鍼法という円形の金属か合成樹脂で出来た筒を使い、痛みを感じさせずに刺していきます。中国では筒を使わずに親指と人差指でつまんだ状態で刺すのですが、日本でも一部の店舗でそのように行われています。
鍼を刺した後は、鍼を上下に揺らし、振動を加えるなどによってツボに刺激を与えた上ですぐに抜き取る方法と、約15分間放置した後に抜き取る方法があります。それだけでなく、鍼に対して微弱な電流を流して筋肉のコリをほぐす方法や、血行促進を促す方法もあるのです。
また、大人だけでなく小児鍼という小さなお子さま向けの治療も存在しています。これは鍼を皮膚に刺さずに接触させるだけですので、お子様も安心して受けることができます。
お灸とは、よもぎの葉の裏側にある絨毛を加工して作られている「艾(もぐさ)」に点火をして、その程よい熱によってツボに対して温熱刺激を加えるものです。また温熱だけでなく、チネオールという、よもぎに含まれる成分が皮膚に浸透することによって自律神経に作用し、リラックス効果や免疫機能の改善などといった効果があります。
2. 鍼の安全性と衛生管理
鍼を皮膚に刺すとなるとどうしても気になるのが鍼の衛生面です。万が一しっかりと処理をしないまま鍼を使い回してしまった場合には、肝炎などの血液感染症になる恐れがあります。
現在はそのようなことがないように、使い捨ての鍼が主流となっておりますので、使い回しによる不安は皆無となりました。常に新品の鍼を治療に使用しています。一部例外として、ステンレス製の鍼を使用する場合もあり、その場合には徹底した滅菌処理を行っています。
このステンレスの鍼を使用する場合、まずは鍼を漬け置きや超音波などにより洗浄します。洗浄後はオートクレーブという高温高圧式の滅菌装置を用いて滅菌処理を行います。
また、使い捨てではない鍼に関しては、基本的に一つの鍼を複数の患者間で使うということはなく、それぞれの患者専用の鍼として管理されている場合がほとんどです。鍼だけでなく、施術者の手の雑菌もしっかりと消毒することで、菌を排除するのは当然のことながら、鍼を刺す患部に関してもしっかりとエタノールなどの薬品によって消毒した上で治療を行っています。
鍼の安全性ですが、現時点では合併症が起こりうる可能性はあるものの、その危険性は低く、安全な治療法とされています。どの治療においても確実に安全と言い切るのは難しいですが、現時点の評価としては古くから用いられてきた治療法という実績からしても、危険ではないという判断がなされています。
3. 鍼灸に副作用はある?
これまでは鍼灸治療には副作用はないといわれてきたのですが、現在はこれが「全くないわけではない」ということが判明しています。最も大事なことは、副作用を危険視するだけでなく、万が一の場合にどういった症状が起きうるのかということを把握しておくことです。
把握ができていることによって、施術後に体調になんらかの変化が起こった時に、それが副作用によるものなのかどうかを判断することが可能となります。
鍼灸治療の副作用
・全身の疲労感や倦怠感
・眠気やめまい、ふらつき
・頭痛
・気分不良
・皮下出血
・微量の出血
また、これらの副作用は鍼灸治療が持つものではあるものの、その症状の大きさについては施術者次第で変動するものです。副作用を最小限に抑えるためには、専門的な知識や技術を持ち合わせた者が施術することが重要となります。素人でも道具が揃えば鍼灸治療を行うこと自体は可能ですが、取り返しのつかない事態を引き起こす可能性もあります。そのようなことのないように、専門家の施術に任せることが大切です。
4. 鍼灸で健康になろう
鍼灸治療には毎日を健康に過ごすための効果がたくさん存在します。血管を拡張させて血行を促すことで肩こりや筋肉痛、動脈硬化などの症状を緩和させる効果が期待できます。また、関節炎などの炎症に対して、患部に集まる血液を分散させることによって炎症を鎮めるなどの血行促進作用もあります。さらに、お灸の成分により白血球の増進が促され、身体全体の免疫機能を活性化する作用もあります。
腰痛を緩和させるといった症状に対して作用するというだけでなく、身体そのものの機能を改善することによって病気や炎症などを未然に防ぐということが可能というのが鍼灸の特徴です。症状が出てから治療するのではなく、鍼灸治療によって症状が出ない体作りをする。そしてそれが健康そのものなのです。
5. まとめ
鍼灸治療というのは、使い捨てあるいはステンレス製の鍼や、よもぎの葉の裏側にある絨毛を加工した艾を用いて、患部に刺激を加えることで症状を改善する治療のことです。
衛生面については、使い捨ての鍼を使用することや、ステンレス製の鍼でも徹底した滅菌処理や管理を行うことによって守られています。また治療自体についても、現時点では危険性はないという判断がなされているのです。
全身の疲労感や頭痛など、鍼灸治療による副作用自体は確かに存在します。これは必ずというわけではなく、施術者のスキルや知識によりますので、最小限に抑えるためにも確かな技術を持った方に施術をしてもらうことが大切になります。
鍼灸治療によって健康を維持することは可能です。何らかの症状が出てしまう前に鍼灸治療の作用によって健康を維持できる身体へと内部から改善するようにしましょう。
鍼灸治療をご希望でしたら、鍼灸によるトータル施術を行っている『 しみず鍼灸院レジリエンス 』へ是非、一度お越しください。